AMCロゴ アスベスト(石綿)の適正処理と
健康被害を防ぐために
本文へジャンプ アスベスト処理推進協議会


2-3 除去


●劣化状況によるレベル設定

軟質ガスケット:ジョイントシートは、その汎用性から化学工場や製鉄工場など高温、高圧の接続箇所から、一般の水・空気・蒸気配管等に用いられており、その劣化程度は使用形態、使用環境により異なる。除去・回収時において、作業標準を策定する必要があるため、劣化状況を以下の通りレベル分けを行う。



レベルG1 接続面に固着し、削ぎ落とし等傷つけないと取り除けないもの。

レベルG2 接続面から容易に取り外せるが、貼り付き劣化が進んでいるもの。

レベルG3 接続面から容易に取り外せ、劣化が進んでいないもの。

レベル分けは、建設業労働災害防止会による建設業における解体等作業の分類による作業レベルを参考とし、区別のためにガスケットGasket の頭文字Gを付記する



●劣化レベルの判定

計画段階でアスベストの含有が無しと確認できた軟質系ガスケットの他は、含有されているものとして、劣化レベルの判定を行う。その劣化レベル分けによりそのレベルに応じた曝露・飛散防止対策を講じる。

アスベスト含有シール材の取り替えに伴う除去作業における曝露防止対策は、粉じん発生量に応じた劣化レベルごとに決めるもので、そのレベル判定は工事施工者が決める。

劣化レベルは、シール材の種類、使用環境、使用期間等で異なるため、除去回収に当たっては計画段階にて調査し把握する必要がある。定期的なシール材の取り替えを行い劣化レベルの管理を行うことが重要である。同じ使用環境のシール材であれば、モデル抽出を行い調査を行う。その際は、より安全になるようレベルG1あるいはレベルG2相当として飛散防止対策を施し行う。

劣化レベルが不明の場合にも同様に、より安全となるようレベルG1あるいはレベルG2相当として飛散防止対策を行い除去作業を行う。レベルG2相当として、除去作業を行い作業中にレベルG1と判断された場合には、十分湿潤させ飛散防止を行い、速やかにレベルG1による隔離飛散防止対策を取る。



シール材廃棄物の分類及びレベル判定

劣化レベル不明な場合の判定




●劣化レベルによる除去・回収技術

アスベスト含有シール材の取り替えに伴う除去作業においては、劣化レベルに応じた飛散防止対策が必要である。

劣化レベルによる必要な対策

レベルG1 著しく発じん量が多い作業で、発生箇所や作業場所の隔離、高濃度の粉じんに対応した防じんマスク、保護衣を適切に使用するなど、厳重な曝露防止対策が必要。
レベルG2 発じんは少ない作業であるが、接合面の付着状況により発じんしやすい除去作業であるので高度の曝露対策が必要。
レベルG3 発じんは無い作業であるが、除去作業において発じんする可能性もあるので、湿潤を原則として、防じんマスクが必要。





■レベルG1 


接合部を切り離したとき、シール材が破断し接合面に固着してしまい、電動式研削機研磨機などで削り取らなければ取り除くことができない状態。アスベストの発じんの可能性が高いので、作業場所の隔離や高濃度の粉じん量に対応した防じんマスク、保護衣などを適切に使用するなど、厳重な曝露対策が必要となる。








シール材の使用されている接合部は、プラント施設の配管或いは機器の一部であるため、作業内容に応じて適切な隔離を行う。接合部1カ所を対象とした局所的隔離(グローブバッグ方式)と、接合部を複数含むグループ隔離方法を選定する。



●グローブバッグ方式

 シール材取り替え接合箇所1カ所を局所的に隔離して取り替え・除去作業を行う。


  1. 作業手順

  2. 留意事項

  3. 保護具






●グループ隔離方式


シール材取り替え接合部が複数箇所あり、全体をグループとして隔離し、取り替え・除去作業を行う。


  1. 作業手順

  2. 留意事項

  3. 保護具






■レベルG2 

        

接合部を切り離したとき、接合面からシール材を容易に取り外すことができるが、劣化がすすんでいる。接合面にシール材が貼り付く場合があるが、スクレパー等で容易に剥離することができる。飛散させないよう十分な湿潤による飛散防止対策が必要となる。






  1. 作業手順

  2. 留意事項

  3. 保護具







※除去作業を開始後、シール材が容易に取り外せずに削り取りが必要となった場合は作業を中止し、レベルG1程度の曝露防止対策を講じてから作業を再開する。


■レベルG3 

        

接合部を切り離したとき、接合面よりシール材を容易に取り外すことができる。劣化は進んでいないが、接合面に表面剥離して付着する場合があるので湿潤を原則とする。取り外したシール材を破損しないよう十分気をつける。






  1. 作業手順

  2. 留意事項

  3. 保護具







※取り外した際にフランジの接合面にシール材の付着がある場合は、レベルG2と同程度の湿潤飛散防止対策を行う。





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